TRONプロジェクト30周年特別対談

松山 一雄 氏
サトーホールディングス株式会社 代表取締役執行役員社長 兼 CEO
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坂村 健
TRONプロジェクトリーダー

坂村 サトーの本社ビル、私がデザインさせていただきましたのでお訪ねするというより、帰ってきたという感じでして……(笑)。入口のところはバーコードをイメージした石のオブジェ、エレベータの中の絨毯もバーコードデザイン、いろいろサトーらしいモチーフをインテリアの隠し味に使っています。

松山 はい。さりげなくデザインされていて、見る人が見ればすぐに気づいていただけます。壁のところも、ちょっと遠くから見るとよく分かるんですね。本当に良いデザインで……ありがとうございます。

坂村 こちらこそ! サトーさんとは本当にお付き合いが長く、創業された初代社長の佐藤陽さんとはちょうどリタイアされる前くらいから、次に藤田東久夫さんに代わられてからも、よくお会いする機会がありました。佐藤陽さんは成功したあと社会還元のための財団をお作りになって、日本に馴染みがないところも含めアジアの国の方々を援助している。日本に留学して勉強してもらうことによって日本への理解を深めてもらい、日本のイメージを高める活動を始められたことは、すごいことだと思っています。最初の理事をお引き受けして、財団の立ち上げのお手伝いをさせていただきました。

松山 お陰さまで財団も相当大きくなりまして、いまはアジアからの留学生だけじゃなくて、日本からアジアに学生を送るのも盛んにやれるようになりました。人を育てることで社会貢献しないといけないんだと佐藤も藤田もよく言ってました。

坂村 そうですよね。お二人とも亡くなられてしまって。藤田さんは大変アクティヴで前向きで私とは気があい良くお会いしました。まだお若かったのに……大変残念に思います。

松山 そうですね。

坂村 サトーのスターティングはバーコードプリンタ。私との接点もその中にTRONが入ってるからでしたが、昔はバーコード関連の売上比率が高かったと思われますが、最近はどうなんでしょう?

1962年世界初のハンドラベラーを開発ハンドラベラー「Hit」

松山 そもそもバーコードプリンタの前に、同じ値付け用のハンドラベラーというのがありまして、実は50周年迎えて、まだ売れているんです。

坂村 なんと。

松山 そういうこともありまして、以前はバーコードプリンタなどのハードウェアの売上比率が相当高かったのですが、いまは会社全体で見ると、プリンタやラベラーが打ち出すラベルなどの、いわゆる消耗品が、大体6割くらいありますね。ここはもうリピートで……。

坂村 わかります。サトーさんがすごいなと思うのは、最初にプリンタを手がけられたときに、ラベルとか糊とかに投資なさったでしょう。機械の開発がme-too product化してきて、誰でも作れなくはないとなってきたときに、複写機と同じように消耗品でちゃんと入ってくるビジネスモデルですね。

松山 そうなんですよね。複写機と若干違うところは、コピー機の場合は消耗品が「A4の紙」とか基本的に標準化されているんですね。私たちは、どちらかというと、カスタマイズなんです。被着体に合わせてサイズや糊が違うので、たとえば寒いところで使うものは糊の種類も変えないといけないとかですね。そういうなかなか標準化できないものも手がけて、どんなものにも情報を付けるタギングの部分がわれわれのビジネスの根幹かなと思ってます。そのためにハードもあるし、保守もサプライもソフトもあります。

坂村 そこのセンスがすごく良いなと。私は組込みシステムの業界でいろんなことやってるんですが、組込み業界の人はビジネスがうまくない人が多いんですよ。なんでかと言うと、普通よりも小さくコンパクトにとか、メモリ使用量も少なくとかね。CPUの電力使用量も少なくとか、ものすごく作るの大変ですよね。えらい苦労して作ったのに1個売って、お終いというパターンが多い(笑)。

松山 確かに。

坂村 バーコードプリンタとか複写機が良いなと思うのは、その後がちゃんとあるんですよね。苦労して作った後、売りっぱなしじゃなくて、カスタマーの方たちと継続的・持続的関係が保てるっていうビジネスモデル――これは良い!

ハンドラベラー「UNOシリーズ」

松山 そこが私たちの存在価値みたいなもので、お客様に深く刺さって、ずっと長く長くお付き合いすることを、ビジネスモデルにしています。そのためには、いまはまだバーコードがメインですけど、新しいコードや技術も出てきてますし、いまやっていることにいろんな技術も採り入れながら、次の世代でもタギングをやっていこうと思っています。

坂村 モノに情報を付加するというタギングの考えでいくと最近のIoT、ユビキタス・コンピューティングと、ぴったり相性が良いですね。

松山 そうなんですね。

坂村 現実の空間にあるものにタギングして、それを認識して、それでバーチャルな空間と結びつけて、コンテクスト・アウェア(状況意識)する新しい情報システムを作ろうってことですから。まずはタギングして認識できなきゃ始まらない。バーコードもそうだし、その先にあるRFIDとか。RFIDもおやりになってますよね。

松山 やってます。

坂村 これからも、いろいろなものが出てくると思うんですけど、認識するための基礎として、タギングテクノロジーは、IoTの基礎だと思うんですね。

松山 まったく同感です。われわれはIoTの中でも上位系をやるわけでもないし、マテハン(物資取り扱い:荷役)の仕事もしないんですけど、サトーの仕事は「バーチャルとリアルの世界の最後の1センチをつなぐもの」だ、と最近よく言っています。通信や物流で「最後の1マイル」というのがあるじゃないですか。結局最後に個々の家に届ける部分が、現場に入らないといけなくて一番面倒くさいし人手もかかる、ボトルネックになる。私たちはそこをやるからこそ存在価値があるんで、そこがつながれば、本当にユビキタスやIoTのインフラになれるんじゃないかなって思ってます。

坂村 「ラストワンセンチ」ですね。そういう意味で、サトーさんがなぜTRONを使っていただいたかがよくわかるんです。TRONはオープンアーキテクチャで、ロイヤリティを取らない。先程のビジネスモデルですと、バーコードプリンタは、極端なこと言ったら、タダで配っても良いわけですね。タダは極端にしても、コストを下げたいわけですね。そういうときにこそTRON! お役に立ててる。

松山 いつでも・どこでもというのが非常に大きいです。メーカーがモノを販売するだけでは、お客様の価値になかなかつながらなくなってきている。だから最終的にはバーコードプリンタはただでお使いいただいて、その代わり付随するサービスや消耗品を買っていただく方が、お客様と長く信頼関係を築けるのかな、と社内で話してるんです。

坂村 サトーはホールディングになって新しい形態になってますけど、海外比率や総売上げは今どうなんでしょう?

松山 今期がだいたい一千億円くらいだと思います。海外の売上比率は、年々伸びていてようやく30%を越えました。いままではすでにバーコードが使われて先進国主体にやっていたんですけど、ここ数年はやはり新興国を中心に、満遍なく。

坂村 ASEANとか。

松山 ASEANももちろんですし、つい先週もロシアのラベル会社に出資することにしまして。アルゼンチンもやりましたし、基本的にサプライチェーンがグローバル化していて、すべての国で使われるので、すべての国でお役に立ちたいな、と考えてます。

坂村 世界でのバーコードプリンタのマーケットはどのくらいなんですか?

松山 プリンタとスキャナとバーコードラベルを合わせて、だいたい1.5兆円から2兆円です。非常にニッチです。ラベル全体では約5兆円といわれています。

坂村 じゃあコンペティタは結構いるわけですね?

松山 たとえばハネウェルですね。ハネウェルは最近スキャナ会社、バーコードプリンタ会社を連続で買収して規模を広げています。あとはゼブラ・テクノロジーズが、モトローラ・ソリューションズのスキャナ・ターミナルの部門を買収しました。競合する部分もあるんですけど、彼らのビジネスモデルはハードなんですね。それで現場には行かないんです。現場はアウトソースします。

坂村 そういうところの消耗品は誰が提供してるんですか?

松山 やはり代理店が消耗品を引っ張ってきたり。

坂村 そういうところに売っちゃったらどうなんでしょう(笑)?

松山 実際にそれもあります。いまも一部やっていますが、競合他社のプリンタやシステムの保守をしてもいいね、と。最初はそうやってサプライもやらせてもらって、徐々にお客様との関係が深まっていけば、どこかで、ハードも含めてサトーにご用命いただけるんじゃないかなと思ってます。

坂村 従業員の方々は何ヶ国にどのくらいいらっしゃるんですか?

松山 いまは日本が約2,000人で、海外は工場があって多いんですけど、全部合わせて4,200人くらいいます。拠点は25ヶ国にあります。

坂村 それだけ海外に拠点があると、一年に一度行かれるだけでも大変ですね。

松山 相当苦労してます。日本も40ヶ所くらいありますので、国内を回るのもなかなか難しくて。あと海外を回って、買収したところに挨拶に行って……ということをやってます。

坂村 そんなことやってるだけで一年間過ぎちゃいますよね(笑)。

松山 その間にどんどん増えていくんです(笑)。以前は一年に必ず一回行けたんですけど、この頃はちょっと厳しくなってきてます。

坂村 なるほどね。
将来的に注目なさっているのは、やっぱりIoTですか? なにか他にも新しいことがあるんですか?

松山 自動認識技術のフロントラインが相当動いてまして、コードも技術もだいぶ変わってきてます。たとえば技術でいうと、読取り機器の性能がすごく上がってきて、二次元、画像、あと映像も、本当にストレスフリーで使えるようになってくる。その情報をIDと紐付けて何かできないかといろいろと探っています。

坂村 それ、ucode使っていただいて(笑)。いまのお話はIoTの中では、ベースになってる考えで、認識技術と深く関係してまして、かつては認識するのが大変だったから、そのときのテクノロジでできる認識をということでバーコードが誕生したわけですね。だけど認識技術がどんどん上がれば、そのまま何も貼らなくても、実物を見て認識できる。ただ、工場で大量生産してるものを、横に並べて画像認識だけで個別認識するのは非常に苦しいですね。

松山 それは無理です。そういうときはやっぱりタギングが必要になってくる。

坂村 必要ですね。ただ、たとえば街の様子を画像で見て、いまどこにいるのかとか、顔認識とか、そういうことには……。

松山 これは進んでくるでしょうね。あと最近着目してるのは、組み合わせです。技術を単独ではなくて、二つ三つと組み合わせていくと、用途が急に広がったりするんですね。たとえばRFIDに映像技術を組み合わせるとか、センサー付けるとか、もしくはデザイン性のあるラベルに、セキュリティのコードを組み込むとかですね。

坂村 それ、コンピュータサイエンスの世界ではセンサーフュージョンと言ってるんです。学界でも人気のテーマですから研究は進んでいます。たとえば温度を測るときに、その場所に温度センサーが付いてなくても、近隣のビルに付いているもの、周りのものから推察して大体ここの温度はこうだろうとか……なんていうものもあります。

松山 そのためのロジックがいるわけですね。それは面白いですね。

坂村 位置を知るのにも、GPSもあるけども、街だったら、映像を認識して大体どこにいるかを知るとか、Wi-Fiの電波から推論する技術とか……そういうことも研究しています。言ってくだされば、いろいろ共同研究できます(笑)。

松山 ありがとうございます。申し上げた通り、私たちは現場で最後の1センチを埋めるインテグレーション作業なので、物理的なんですね。それにはありとあらゆるものを導入して、最終的にそこから使い勝手の良い運用につなげていかないと。
あとは最近非常に盛り上がってきているウェアラブルがありますね。ウェアラブルも、一つひとつの技術を見るとまあそうかなと思うんですけど、それをどういうふうに使うのかが非常に面白くて。ヘルスケアでは、たとえば貼るだけで血圧がリアルタイムで見れて、それが遠隔地の医療に活きるとか。ただ、対象が人の場合はプライバシーの問題など出てきますので、そこは気をつけなきゃいけないなと思うんですが。

坂村 ウェアラブル、昔はある個人のデータだけ取ろうとしてたんで、いろいろ限界があったんですけど、最近著しく進展してるのが、やっぱりビッグデータと合わせて、他の人との比較とか……地域住民のデータが大量に集まってくると、集団でなにか病気になったとき、なんかこの地域で食べてるものが関係あるかもしれないという仮説を立てて、食べ物のデータと合わせて推論するとか。これもフュージョンなんですけど、いろいろと連携させたり組み合わせたりすることで、何か新しい展開が図れないかというのは、まさにコンピュータサイエンスの一つの大きな潮流、分野になってきているのですね。

松山 そういうデータを正しく、リアルタイムで集めて、良い形で渡してあげるという部分は、私たちが貢献できるところだし、もっとやらないといけない。これからデータを取るべきいろんなモノがつながっていかないとユビキタスにならないと思ってるんです。

坂村 そうなんです!ユビキタスも概念的には84年頃から私が提唱していたんですが――

松山 ユビキタスの概念も30周年なんですね。

坂村 そうなんです。論文を書いたり、世界に先駆けて電脳住宅を作ったり、海外の学会に行ったり、海外の方に来ていただいたりとかユビキタス交流を……。ただ、やはり下のテクノロジーが進展してなかったので、イメージとかデザインとか、概念は設計できても、実現できなかったんですね。コンピュータは動かないと面白くないんです。30年前に、将来はラップトップのコンピュータができるだろうとイメージ図を書いたんですけど、いま実現してるわけですね。いろんなことが実現してて、たとえばiPhoneとかのスマートフォンが出てきたのって2007年なんですよ。それほど古い話じゃないのです。

松山 まだ10年も経っていませんしね。

坂村 その原型みたいなユビキタス・コミュニケータを2003年とかに作ってたんです。いまから12年前ですけどね。受けなかったですよ、あんまり。まだガラケーが普及する前に、さらにその先はこれだって言っても、なかなか理解する人ってのは少なくて。

松山 当時からすれば相当飛んでましたよね。

坂村 TRONプロジェクトは飛びすぎって言われます(笑)。

松山 私もユビキタス・コンピューティングの概念を最初にお聞きしたとき、本当にこういう世界が来るんだろうか?と思ってましたけど、つい最近になってIoTが出てきて(笑)。

坂村 私たちのプロジェクトは、デザインと概念の設計から始めて、最後はメーカに作ってもらわないと完結しないですよ。コンピュータってのは動いてなんぼの世界だから、動かないで概念設計だけってのは、やっぱり寂しい。動くところまで来たのを自分の目で見届けられるのが非常に面白い。

松山 私もそう思います。先生がずっと、30年も前からコンセプトを持たれてたことが、ここ数年で急激に実現してきている。こうなったときに、本当にサトーの仕事ってなんだろうと考えると、やはりタギングでお役に立ちたいな、というのが一つですね。あとはやはり、IoTの技術やクラウドを使った新しいビジネスモデルですね。私たちはお客様に買っていただいたものが安定稼働しないと駄目なので、日本には現場で安定稼働をお手伝いするカスタマーエンジニアが、200人以上いるんです。この小さな国のビジネス規模で200人。これを世界遍くやろうとしたら、何千人何万人っていうエンジニアが必要になるんですけど、時間もかかるしコストもかかる。それで、IoTの技術を利用して、今般「SATO Online Services(SOS)」というのを作りまして、バーコードプリンタの稼働状況等が、すべてオンラインでモニターできて、ビッグデータにもつなげて、運用状況を見ながら、あたかもそのお客様の現場にバーチャルエンジニアがいるように遠隔メンテナンスもできる、というサービスをやり始めてるんです。形は違うけど、お客様の稼働を守るという意味では、ここもちょっと着目してるんです。

坂村 非常に良いと思います。GEが「Industrial Internet」と言って打ち出したコンセプト。昔は機械をネットにつなげるのは、遠隔でコントロールしたいからだったんですけど、いま注目しているのは稼働状況などのデータを集める方です。

松山 そうです。

坂村 全世界にGEの風力発電機が1万何千基あるのですが、その稼働データを取って、故障予測するんです。たくさんデータを集めて動作状況を取って、壊れたものがどういうパターンで壊れたか、たとえば振動が大きくなってたとか、そういうパターンを見てるんですね。それで、毎日来る何万基のデータを分析して、まだ壊れてないんだけど壊れる10日前と同じようなパターンが出てくると、壊れるんじゃないかと予測をたて、壊れる前にエンジニアが行く。なんでそれが重要かというと、ああいうところは、いきなり停止した場合のコストロスが凄く大きいからです。予定して止めた場合に比べると、十倍以上になるって言ってたかな。突然止まると大変だが、予告を出しておけば――

松山 そしたら計画ができる。

坂村 そうそう。それがいますごく世界でも注目されてる。それをバーコードプリンタでやったら面白いな(笑)。

松山 たかだかラベル一枚なんですけど、これが出せなくなったりすると、お客様のラインが止まっちゃうんですね。その機会損失があまりにも大きい。

坂村 お客様のロスは大きいですね。

2014年世界同時リリース 新型高機能プリンタ「CL4NXシリーズ」

松山 それをモニタリングして、たとえばこの部品の摩耗がちょっとおかしいぞ、というようなことがノウハウとして貯まってくれば、未然にお客様にご迷惑をおかけしない手が打てるのかなと思いますね。そういう今回のコンセプトをご説明すると、「そのデータをうちもビッグデータに使いたい」と仰るお客様も出てるんです、逆に。アセット管理に使いたいとかですね。

坂村 これからどんどんそういう新しいビジネス・オポチュニティが出てくると思います。

松山 あとリテールでは、映像とうまく組み合わせると、商品を手に取って見たけど結局買わなかった、というようなデータが蓄積されてくると、それがまた何かに使える。

坂村 そう。蓄積されてると、なんで買わなかったのかという分析につながり、今度こそ手に取ってそのまま買って帰ってもらうための戦略立案につながる……(笑)。

松山 そうです。いろんな組み合わせをすると、いままでできないと思っていたことが――

坂村 できるようになってくるということですね。
サトーの近未来は? いまのお話しに出てるより、もうちょっと長いスパンの未来で見ると、やっぱりタギングを会社として極めたい方向ですか?

松山 基本的にそこは近未来においてもあまり変わっていかないんだろうなと思ってます。どんなに世の中がすすんでも、物理的なモノは残るし、現場も残るし、作業しなくちゃいけない部分があって、ここは大手の競合は嫌がるんですね。手間隙がかかる非常に泥臭い仕事ですし、被着体ごとに試行錯誤しなくちゃいけないですから。だからこそ、ここをわれわれが、やる。極める。そうすることで、将来のユビキタス・コンピューティング社会のインフラづくりのお手伝いができると考えているんです。

ユーザー現場のプリンタ稼働状況を、クラウド経由してお客様ヘルプデスクが監視し、トラブルを未然に防止。

坂村 ユビキタス・コンピューターのキーワードで出てくるのが、バーチャルな空間と現実の空間をつなぐことなのですが、今日のお話を聞いていて、サトーって、テクノロジーと人間をつなぐというイメージも出てきました。

松山 仰るとおりです。つなぎたい。それは私もここ数年ずっと考えてまして、一つひとつできるところからやってこう、と。徐々に “バーコードのサトー” から、自動認識ソリューションで、バーチャルとリアルと人間をつなげるサトーになるんだよ、と言ってるんです。

坂村 次にサトーのインテリア・デザインをやらせていただくときには、今日お話ししていただいたコンセプトに合うような形にデザインしたいと思います(笑)。

松山 ぜひよろしくおねがいします(笑)。

TRONWARE VOL.152より再録